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スティーヴ・ハケット

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言わずと知れた‘70年代の英国を代表するスーパー・グループ、ジェネシスの黄金時代を支えたギタリスト。1975年の『Voyage of the Acolyte』でのソロ・デヴューそして1978年のジェネシス脱退以降、実に30年近いソロ・キャリアを重ねてきた。その長い歴史の中で数々の紆余曲折や浮き沈みがありながらも常に第一級のクリエイティヴィティを発揮しながら質の高いアルバムを発表し続け今日へと至る。

1977年のジェネシスでのツアー終了後、自らが考える方向性とバンドの音楽性が異なってきたことから「ジェネシスでできることは全てやり尽くしてしまった」とフィル・コリンズを中心とした体制の下、新たな絶頂期を迎えようとしていたジェネシスを脱退してしまう。その後はカリスマ・レコードと契約を結び、1978年にはバンド脱退後の実質的初ソロ・アルバム『Please Don’t Touch』をリリース。前作『Voyage Of Acolyte』がジェネシス・ファミリーのバック・アップを得ての極めてジェネシス色の強いアルバムだったが、次作ではリッチー・ヘヴンス、ランディ・クロフォードなどのブラック・コンテンポラリー系のミュージシャンやカンサスのメンバーらが参加し、ソロ・アーティストとしての方向性とアイデンティティを強く打ち出す。この後キーボーディストのニック・マグナスや元トレース、ウルフのドラマー、イアン・モズレイらをバックに、カリスマ・レコードからは『Spectral Mornings』(‘79)『 Defector』(‘80)『Cured』(‘81)『Highly Strung』(‘83)と順調にアルバムを発表、精力的なツアーもこなしている。しかし1983年にカリスマ・レコードがヴァージンの傘下となると長年在籍したカリスマを離れる事となりレーベルを移籍。イタリアの自動車メーカー、ランボルギーニが設立したレーベルから『Bay of Kings』、『Till We Have Faces』を発表。ここらあたりからカリスマ時代とは異なる、アーティストとしての自由気ままな音楽的冒険の旅が始まり、『Bay of Kings』は彼のクラシック・ギタリストとしての側面をフィーチャーした初のクラシック・ギター・アルバムとなり、続く『Till We Have Faces』では盟友マグナス、モズレイらとともに何とブラジルでのアルバム・レコーディングを敢行、現地のパーカッショニストも加えラテン音楽のテイストもふんだんに取り入れた意欲作を発表する。

そして1986年にはあのイエスのスティーヴ・ハウとダブル・リードを組んだエイジアと並ぶ‘80年代の伝説のスーパー・グループ、GTRに参加し往年のファンを狂喜させ大きな注目を集める。唯一のアルバムとなった『GTR』は全米11位の大ヒット、プラチナ・ディスクも獲得という、ジェネシス在籍時を含めこれまでのキャリアで商業的な面においては考えられない程の成功を手にする事となる。

この後はしばらく沈黙の期間が続くも1990年のTVショウ出演をきっかけに、その時の音源と1980年のツアー音源を合体させた初の公式ライヴ・アルバム『Time Lapse』をリリース。そして1993年には‘90年代以降の重要なバンド・メンバーとなるキーボーディストでA.B.W.Hのサポート・メンバーとしてもお馴染みのジュリアン・コルベックらとともに久々のロック・フォーマットでのアルバム『Guitar Noir』を発表しシーンへのハケット復活を印象付ける。続く1994年には自身の大きな音楽的ルーツでもあるブルースに真っ向から向き合ったブルース・アルバム『Blues With A Feeling』を(ギタリスト・デビュー当時はバリバリのブルース・ギタリストであった)、そしてジュリアン・コルベックと2人でのアコースティック・ツアーを収録したライヴ・アルバム『There Are Many Sides To The Night』を発表と活発なリリースを行う。

そしてそんな状況の中、彼のソロ・キャリアの中で大きな分岐点ともなるプロジェクトが動き出す。ジェネシス在籍時代のそれが1996年発表のアルバム『Genesis Revisited新約創世記』がそれだ。『Genesis Revisited』ではジョン・ウェットン、ビル・ブラフォード、トニー・レヴィンのキング・クリムゾン組に加え、チェスター・トンプソン(ex.フランク・ザッパ・バンド、ジェネシス)、アルフォンソ・ジョンソン(ex.ウェザー・リポート)、コリン・ブランストーン(ex.ゾンビーズ)、ポール・キャラック(マイク&ザ・メカニクス)他錚々たるメンバーが召集されアルバムの製作は行われた。さらにはロイヤル・フィルハーモニック・オーケストラも導入と、これまでの彼のソロ・アルバムの中でも破格のスケールのプロダクションとなった。そして優秀なミュージシャンらを贅沢に、かつ適材適所に配し、至宝とも言えるジェネシス・ナンバーの数々をそのガラス細工のように繊細な持ち味を損なう事無く、見事に太い現代ロック風に甦らせたのであった。

またアルバム参加メンバーであるウェットン、トンプソン、コルベックらに加え、何と元キング・クリムゾンのイアン・マクドナルドをバックに配してスティーヴ・ハケット&フレンズを結成、1996年の暮れには来日まで果たし、後に日本公演の模様はライヴ・アルバム『 The Tokyo Tapes』として残された。そしてこのプロジェクトは当時のシーンにも大きな衝撃とロック・ファンへの希望を与え、後の伝説のビッグ・ネーム復活のムーヴメントや夢の来日ラッシュの口火を切る格好ともなった。

この『 Genesis Revisited』、『 The Tokyo Tapes』というジェネシス・プロジェクト・アルバム2枚で原点回帰を果たしたハケットはこれでシーンに完全復活を果たし、2000年へ向けてますます活発なアルバム・リリースを行うが、やはり『A Midsummer Night's Dream(‘97)『 Sketches of Satie』(‘00)『 Metamorpheus』(‘05)などのクラシック・アルバムと『Darktown』(‘99)、『Feedback 86』(‘00)のようなロック・アルバムを交互に製作するスタイルを継続し、2003年には突如として彼の‘70年代のテイストが火を噴いたかのような『To Watch The Storm』が発表される。これはカリスマ時代の初期3枚を彷彿とさせるリアル・シンフォニック・ロックかくあるべし、といったブリティッシュ・ロックの傑作、まさに彼の何度目かの音楽的頂点を示すもので多くのファンが溜飲を下げたものだった。同年には同アルバムを引っさげてGUITAR WARSなるライヴ・イベントでも来日が実現。ポール・ギルバート、ヌーノ・ベッテンコートら新世代ギター・ヒーロー達に混じり、圧巻の存在感とパフォーマンスを日本のオーディエンスに存分に見せつけたのであった。またその活動の合間を縫って充実した内容を伝える膨大な量のライヴ・アーカイーヴ・シリーズもリリースし続け現在に至っている。そして2006年にはいよいよ約3年振りとなる最新作「ワイルド・オーキッズ」を発表。これは彼ならではのロック・フォーマットによる作品であるが、今回は何とフル・オーケストラをバックに従えた壮大なスケールのシンフォニック・ロックの傑作となった。また彼のメロディ・センス、ギター・スタイルも最大限に発揮された数多いソロ・アルバムの中でも屈指の充実度を誇っている。
STEVE HACKETT公式サイトはコチラ
http://www.stevehackett.com/
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