全巻無料で漫画「1122」が読めるサイト・アプリはある？

夫婦の形は色々あれど、これは果たして夫婦と呼べるものなのだろうかと、読んでいるあいだ中ずっと考えてしまいました。たとえセックスレスだとしても、セックスの外注をいちこちゃんから言い出したとしても、おとやんが外に恋人を作るなんて、いちこちゃんは思っていなかっただろうと思います。いちこちゃんはいちこちゃんで悪いとも思います。作者の表現のうまいところで、どうして？なんで？と思わせて、あーそれはいちこちゃんも悪いよねと感じさせる手腕があるなと感じました。いちこちゃんが外で済ませて、なんて言ったことで、おとやんの心は折れてしまった。でも、まさかあんな恋オーラをムンムンにさせている人が自分の夫として家にいたらたまらないです。同じ女性という立場になると、どうしてもいちこちゃんに同情を寄せてしまいます。おとやんの恋人である美月さんという女性も、したたかで苦手だなと感じました。発達が少し遅れていて、療育にも通っている息子を実家の母親にあずけて、平日にお泊りを繰り返すというのも、同じ母親という立場になるとかなりの嫌悪感を覚えます。旦那さんだって、嫌な面も目立ちはするけれど、ちゃんと伝えれば一生懸命息子の世話に取り組もうとする。それなのに…と美月さんに対して苛立ってしまいました。全体的に作者の表現がうまいなと感じます。
（30代・女性）

レス夫婦が二組、不満を持っている男女が別に相手を探して……、というよくある不倫マンガだと思って読みはじめました。予想外の展開の連続でした。まず、おとやんといちこ夫婦が並外れている。似た者同士でどちらも物静か。一緒に暮らすのはいいけれど、結婚７年目にして夜の生活はご無沙汰となっています。けれど関係は改善していきたい、レスは打開したい。上手くいかなくなったらもう別れようという付き合いでないあたり、もう神々しい存在です。そしてふたりの会話や、自分たちの気持ちの掘り下げが半端ではありません。知的なカップルってこんな話をしているの？？？　このカップルだけではありません。女性たちの発言も鋭い。女友達やぽっと出てきたお姉さん、また母親たちも的確な言葉で自分の気持ちを表現します。いちこの友人などは、やりたい盛りと眺めるだけで満足するカップルのことを、「生物としてのステージが違う」と評しました。こんな表現をマンガでみるなんて。この世界はちょっと違う。とにかくボキャブラリーと中身が半端のない会話があふれています。これはもう一組のカップル、知的男と子育てに振り回されるママ夫婦にも当てはまります。とにかく誰もかれもが口達者。これを読んだらちょっとは頭がよくなれるかも、と思ってしまいました。そして物語の展開もスマートです。話自体は一年間の物語ですが、一年で関係ってこんなに変われるのねと思うほどの激変を見せます。目標と理想を決めれば、将来は変わる、ということを見せられた物語です。最後に話は変わりますが、不妊治療の描写はリアル。これだけでも、読む価値がありかもしれません。
（50代・女性）

漫画〔1122〕は旦那さんが公認不倫をしている夫婦のお話です。妻のいちこちゃんと夫のおとやさんは仲のいい夫婦でありながら夫の公認不倫を黙認している一風変わった夫婦です。セックスレスに悩む二人は家族として仲良く生活することを継続するために恋愛は外ですることを選びました。結婚願望のない私はこの本を読み始めたころ、この生活はとても合理的でいいものに思えていました。いくら好き同士で結婚をしても家族になれば、もしくは年齢を重ねればお互いに対する性欲はなくなってしまうもの。なら結婚をすれば自分の性をいつか放棄しなければならないのかなと、それこそ墓場なのではないかと思っていた時期もありました。お互いに異性として愛することが出来なくなっても不倫をすれば家族は壊れてしまう、このジレンマを払拭するための恋愛外部委託のような生活。この漫画の主人公たちも初めはその生活に満足していましたが、きっとそれは不倫をしていても相手にとても気を使い、尊重し、家族優先に何不自由なく暮らせているからこそ成り立つもので、ほんの少しでも不満を覚えてしまうと一気にすべて崩れてしまうとてもギリギリな生活だったのでしょう。家族と恋愛をどう両立すれば幸せに暮らせるのか、数ある正解のひとつを見つけられる漫画で結婚している人にもしていない人にも読んでみてほしいと思いました。
（20代・女性）

とても奇妙な夫婦のあり方だと思うのに、非常にリアルです。レスな夫婦、夫に家庭外恋愛を進める妻、妻公認で外に恋人を作る夫、性欲を女性風俗で満たそうとする妻。こう書くとドロドロで不実な夫婦にひいてしまいそうなのですが、そうはならず、出てくる登場人物のほとんどに感情移入出来てしまい共感する部分もあります。多分、作者さんが心情を描くのにとても長けているのだと思います。出てくる人々は皆、心に何らかを抱えていて、少しでも良くなりたいと願っているのに結果はどんどんずれていく。これは現実世界でも同じですよね。主人公は母親との長い軋轢があり、自分を抑えつつ付き合っている。同時に、苦しくて高価な不妊治療にも果敢に挑戦する。これらは自分の思うところの、理想の家族、理想の夫婦を追い求めてのことだし、頑張った分だけ逆にそれに打ちのめされたりします。藻掻きあがいた先に夫婦としての安寧があるのでは？というセリフがありましたが、結果として、夫が言った、「夫婦や家族かどうかはもう重要じゃなくて、でもやっぱり一緒に生きていきたいと思う」これが全てかと思います。ともに生きていけるなら、夫婦や家族という形の体裁は必要ないということだと思います。色んな状況で、家族の在り方、夫婦の在り方に悩んでいる方にも読んで欲しいマンガだと思います。
（50代・女性）

新しい家族の形だな、というのが最初にこの漫画に出会った時の感想。夫婦の営みが出来ないのなら、他の人を公認の相手にするのもアリなんだな、と。でも、そこで一つの疑問。夫婦ってなんなんだろう。そこまでして、夫婦でいる意味があるのだろうか…。きっと、わたしなら耐えられない。最初から嫌だ。上手くいくなんてすごいな、と思って読み進めたら、やっぱりどこかで歪みが出てくる。女性用風俗に興味を持って、してしまった一子然り。公認とはいえ、不倫で、お互い割り切っている関係だと勘違いしていたが為に衝撃的な報復をされた二也然り。その時が同時にやってくるところもなんとも言えず。口をあんぐりさせて読ませて頂きました(予想もしていなかった)。仲がいいのに、夫婦の営みが出来なくてつらいけど、人の心がある相手(自分にも相手にも)だってお互いちゃんとは理解してなかった。好きになったら独占欲だって増してくる。女性用風俗を仕事でやっている一子の相手ですら惚れてしまえば独占欲がでてくるのだから。そして、公認不倫が終わった後も難しい。子供作ろうって言っても、親との関係がうまくいってなかった一子だからこそ、子は鎹ってだけで関係の繋ぎ止めだけにはなって欲しくないなと思っていたら…案の定うまくはいかなかったけど。まさか最終巻でポンポンポンと色々変わっていくとは思わずどのようなラストになるのかと引き込まれました。この二人の今後はわからないけれど、修羅場や嫌なことをお互いで乗り越えていったので、きっとこの後何かが起きても二人で乗り越えられると思えた作品でした。物語に入り込みすぎて情緒に波が出来ますが、どうなるかわからない展開の漫画が好きな方、おすすめです。
（30代・女性）

結婚7年目ながらもとてつもなく仲の良い夫婦が子供なしでセックスレスの状態、そんな2人が選択したのが婚外恋愛許可制(公認不倫)ということで、その非常に興味のあるトピックで描かれている作品として読む前からワクワクが止まりませんでした。夫婦仲に問題がないにしても公認で不倫をする夫婦が世の中にいるということは聞いたことがありましたが、なぜ2人はその選択肢をとらなければいけないのか、2人だけでセックスを満たすことはできないのか、なぜふたりの仲は保つことができるのか、不思議なことがたくさんで新しい学びの多い作品に仕上がっていて大満足でした。夫婦の在り方はそれぞれで、多種多様であるからこそのものであると改めて実感させられました。エンターテイメントテイストを味わうことができるうえ、社会派漫画にもなっているため、世の中を生きるすべての人が学ぶことのできる作品ではないかと思いました。比較的登場する男性陣が残念な人たちである印象を受けましたが、不倫相手の夫はモラハラ夫なのに奥さんのことが死ぬほど好きであったり、主人公の夫は優しくて穏やかな人だけどクズであったり、でも憎めない雰囲気を帯びていたりと本当にキャラ設定から楽しむことができました。
（20代・女性）