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割と冒頭のシーンで電車に乗っている直江くんが痴漢被害に遭っていたけれど、個人的に疑問が残る点が見受けられたことを言っておきたいです。セクシャル的な面において多様性が求められている現代で男性が男性に対して良からぬことを考えて手を出してしまうのは特に気にする必要もありません。だがしかし、周りにあれだけ大勢の乗客がいて痴漢に気づく人がいないというのはさすがに無理があると思います。最低でも直江くんの目の前にいる人は様子がおかしいことに気づくべきであり、なんなら助けてやるのが人として課せられた道理とも言えます。あくまでモブキャラはモブキャラとして徹しろと言うことなのか否か、そのへんのことはイマイチ分かりませんが、細かい点をネチネチ指摘したくなる自分の性格が災いし、だいぶ後になっても忘れられずにいました。一般的には、隣の人よりも目の前にいる人の方が気づく確率は高いように思え、結局のところはご都合主義であるのをイメージ付けるためのシーンだったのかなと残念に思う気持ちがブクブク膨らんでいく羽目になったのが大変辛いです。題材として掲げているもの自体はなかなか面白かっだけに、細かい点を疎かにしたのが余計に目立ってしまいました。
（20代・女性）

わざわざ予告してキスをしろとは言わないけれど、なんの前触れもなしに輩が大勢いる前でキスをするのは如何なものかと思いました。本人的には御満悦かもしれませんが、それを不意打ちのごとく見せ付けられた側からしてみれば何が起こったのか状況を理解するまでにも時間を要することになり、理解したところで「なんでこいつこのタイミングでキスとかしちゃってんの？頭沸いてんの？」みたいに疑問符だらけになること間違いなしです。少なくとも自分がその場に居合わせたら間違いなくそうなります。別に、交際関係にあるのであれば、なんら問題にはならないし、「はいはいイチャコラ乙です」と大して気にもとめないけれど、明らかにそうでないことは分かりきっているため、呆れてものも言えやしません。こういうのを「強引でかっこいい」とかなんとか崇め奉る人もいないとは言い切れないし、事実それなりにいるとは思います。本作は、とにかく強引で容赦なんて皆無と言っても過言ではない男にガンガン攻められて感じまくっている泣き虫男に興奮を覚えてしまう変態風情にオススメします。人格云々でやや面倒なところがあるのも込で、本作を気に入る人は結構多いかなと思いました。
（20代・女性）

これまで不幸体質なるものはマンガに限った話ではなく、小説やドラマなど多くの作品で目にしてきたけれど、本作のように「痴漢」ばかり遭ってしまう人間がいるというのは極めて稀なことであり、ある意味物珍しさから興味を抱くようになった次第です。何の因果か行く先行く先好色な目で見られる主人公の不憫さがたまらないと思う瞬間が度々訪れました。しかしながら、それも揃いも揃って小汚いオッサンばかりであり、主人公のどこに惹かれて声を掛けたり痴漢行為に及んだりするのか甚だ理解できない状況に辟易するほかありません。これが眉目秀麗な高校生とか大学生なら、少しはその状況にそそられるものを感じた可能性も否めませんが、相手がオッサンではそそられる要素は半減です。ただただ相手のいいようにされるがままの主人公の表情を楽しむほかなく、それではどうしたって物足りなさがあり、言葉に言い表せないモヤモヤ感でいっぱいになりました。せっかくなら、オッサンじゃなくて美男子限定で引き寄せてしまう体質にして欲しかったところです。そうすれば、一気にそそられる要素倍増で作品を丸ごと愛せたかもしれません。ちょっとばかし惜しかったなと思わずにはいられなかったです。
（20代・女性）

個人的に、多重人格に萌え要素を全く見出すことが出来ない性分であるが故に、読んでいて心が躍る瞬間なんてものはなかったです。それも、暴力的な一面を持っているというのは、さすがにいただけません。道理的とは程遠い、悪行に及ぶ主人公を見ても湧いてくるのは嫌悪にほかなりません。義憤に燃えることもしばしばあるという有様に閉口するばかりです。もっとも、多重人格というくらいなのだから、普段のなよなよした性格とは真逆の性質であっても不思議ではありませんが、荒くれ者としか言いようがない喧嘩っ早いのはどうしても受け付けません。生理的に無理な領域に入ってきたと言っても差し支えなさそうです。予備知識も何もない状態で読んでしまった、つまりは自分のせいであることは認めざるを得ません。その点について作者がどうこう責め立てるつもりは毛頭ありません。あくまで自分がハマれなかっただけに過ぎず、作品に何らかの欠陥があるとは思っていないことだけは主張しておく必要があります。正直なところ、好きな人であれば相当ハマれる要素が随所に散りばめられており、多重人格要素もむしろ超ウェルカムという人には是が非でも読んでいただきたいと思うに至りました。
（20代・女性）