全巻無料で漫画「Ω令嬢、情欲の檻(おり)～大正絢爛(けんらん)オメガバース～」は読める？

広告があまりに過激なので一周回って気になって読んでしまいました。すごく絵が綺麗な少女漫画家さんの描く、珠玉のエロ漫画という印象です。オメガバースというBLのエロ作品でよく使われる題材を、都合よくNLカプ物に使用しています。ヒロインであるΩ令嬢は、実家から冷遇されて育つも、お相手の青年に気に入られて(しかもひどく執着を向けられて)結ばれていくお話です。ほぼエロでお話の全体が薄ら暗いですが、シンデレラストーリー展開に近いです。ヒロインはオメガという特殊体質であること以外は、控えめで健気で、ちょっと同情できます。実家のため、可愛がっている弟分のために役に立ちたがっている様も好感が持てます。一方、ヒロインに執着を向けているお相手の方は、狡猾で甘い顔と冷たい顔を使い分けて、さまざまな手管で周囲を固めていきます。現実にいたら普通にサイコパス…と思う部分もありますが、ちょっと過激な恋愛漫画ならちょうど良いくらいです。時代背景もあり、このくらいの男女の力関係は気になりません。どうやってヒロインを自分のものにするのかなーと素面でエロ漫画が読める淑女達にオススメいたします。これはもう、そういう漫画として楽しんだほうがいいです。
（30代・女性）

女性漫画なのでエロスもたっぷりです。大正時代という身分や家制度が残る時代背景の上に、オメガバースという世界観も加わって禁断感が増していてよいです。主人公の女性はベータからオメガになった女性です。二つ年下のアルファの従弟のエイジのことが好きですが、そのことを言えません。姉弟のように育ったエイジです。エイジも主人公のことが好きなのですが主人公が母の不貞で産まれた娘ということでいろいろな制約があります。希少なオメガなので結婚に利用されそうになります。しかしエイジは主人公の母の主治医から吹き込まれて、本家の当主になることを幼い時に決意します。エイジは分家の息子なのですが優秀です。エイジと主人公が一途に思いあっているのに、オメガバーズの世界観や大正時代ということでいろいろ立ちはだかる問題があって、なかなかうまくいかないところがじれじれします。エイジにも婚約者がいて邪魔をしてきます。でも身も心も本当に好きあっているのは主人公とエイジなので上手くいってほしいと思いながら先を読んでしまいます。狂愛という感じでよいです。主人公に求愛する男性の目の前で交わって見せたりとかなりエロスも濃いです。エイジが策略でなんとしても主人公とつがいになるために行動するのが怖くもありひきつけられるお話です。
（50代・女性）

これに関しては、自分の至らない点が露呈するために申し上げるのが些か苦痛ではありますが、自分としては割と大事な点でもありますので一応申し上げておこうという決断に至りました。α(アルファ)、β(ベータ)、Ω(オメガ)、本作において初めに覚えねばならないこれらの単語、正直申しますと理系科目のほとんどをまともに受けた記憶が無い自分には相当キツかったです。ややもすると、初めから理系科目がわからぬ者たちをふるいにかけて落とそうという魂胆だったのではないでしょうか。性格に難があるどころか歪みまくって修復不可能なれヘルにまで達している自分は、そのように悪い意味で受け取るほかありません。誰が読んでもすっと受け入れられる単語に改める必要を感じました。とは言え、数式だったり物理演算みたいなちんぷんかんぷんなものを入れてこなかったことだけは不幸中の幸いと言えなくもないため、ここまでネチネチ言い続けるのも段々気が引けてくるものです。物語全体の雰囲気にケチをつけるつもりは毛頭ありませんので、そのへんはご安心いただけると嬉しく思います。もっとも、α、β、Ω、これさえなければと思う気持ちを易々と拭うことは難しいのは事実にほかなりません。
（20代・女性）

Ωの説明を読んでいると鬱々とした気持ちにさせられますね。『定期的な発情期を引き起こし本人の意思とは関係なくαやβを誘惑する』、これは生きていくのも億劫になりかねません。『妊娠しやすく種の繁殖には多大な貢献を果たすため争奪対象だが社会的立場で他の性へ及ぼす被害は大きく、そのため社会的にも性的にも弱い階級』、言わずもがなですけれど、先に述べたものに拍車をかけてきているとしか思えません。個人的に、Ωとして生きていくことが運命であるのであれば、さっさと自害して来世に期待するでしょう。希少性が高いと持て囃される場面もなくはないでしょうが、弱い階級であることに違いはありません。世間様の良いように扱われるくらいなら、ひとり悲しくこの世にサヨナラを告げる選択をとる方が後悔なく人生を終わらせられそうですね。先天性にしても後天性にしても同じことであり、初潮をきっかけに運悪くΩに変化した主人公に憐憫を抱かざるを得ませんよ。それまでの扱いも酷かったものの、Ωのそれと比べたら大変お可愛いものと言っても過言ではありません。つくづく厄介な運命を背負う主人公の立場を憂うばかりで、気が休まることはなかったかもしれません。
（20代・女性）

母が不義を働くような人には見えない云々書かれている場面があります。この文章そのものにおかしな点は一切なく、私自身この時点では主人公の境遇に胸を痛ませているだけでした。しかしながら、後に母の不貞が確実となるという文章が出てくるのです。流し読みしている方は気づくことはないかもしれません。反対に注意深く読み込んでいる方には直ぐにその違いがお分かりいただけるでしょう。不義と不貞、何故使い分ける必要があったのでしょうか。これが主人公と他の人物といった具合に別の視点からのものだったら不自然ではありません。人によって使用する言葉が違うのは当然と言って差し支えないからです。では、同じ人物によるものであったらどうでしょう。明らかに不自然なものとして印象に残りますよね。たった一文字程度のものだと甘く見られては困ります。たった一文字、されど一文字、言葉のひとつひとつに気を配っていただけると幸いですね。世に出す前に作者自身が見返すか、もしくは編集に携わる方がチェックすることを強く奨めたいと思いました。その手間を惜しまなければ、作品としての完成度はグッと上がります。引いては好感度も上がること間違いないでしょう。
（20代・女性）

天花寺瑛司がどこからどう見てもヤンデレであり、体の震えが止まらなくなりました。元よりヤンデレ属性にさほど耐性を持っていない私には相当ハードルが高かったです。「姉さんは何も悪くない」、「もっと自分を大事にしてくれ」、「今度こそ断られたら、ずっと俺のそばにいればいい。姉さんは俺が守るよ」などなど、怒涛のヤンデレ発言にびっくりを通り越して唖然とせざるを得ません。これらの言葉を直に受けながら嫌な顔ひとつしないで淡々と答えられる天花寺紗代も大概普通とは言い難いキャラクターですよね。キャラクターとしては、嫌いとしか言いようがないＭ字前髪のチビ、天花寺勝が「相変わらず気持ち悪いなお前ら」と悪し様に言いたくなる気持ちも分かりますよ。夫婦でもなく、恋人と呼べる関係でもない姉弟同然の関係の男女の距離感ではありませんもの。見慣れているはずの勝でさえ気持ち悪いと思うのだから、初めて見る私たち読者からしてみればもっとですよ。ましてやキスなんて、おまじないの域を超えています。そんな邪な思いが込められていそうなおまじないが存在しているとは考えにくいですし、たとえあったとしても妙齢の女性に対してやるものではありません。
（20代・女性）