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とにかくストーリーの展開がいい。武士の娘が吉原に身を落とす、そんな中でトップの花魁を目指す話かと思ったら、もっと事情のある話でした。恋愛の方も滑り出しできっと主人公の朱音はこの若旦那とくっつくのね、と思わせて、話は二転三転していきます。誰が味方か敵かわからなくなる作りです。裏切りなのか好意なのか、お座敷では酒の席できな臭い話が繰り広げられ、ついに悲惨な事件も起こります。多少入り組んだミステリ―仕立てですが、エピソードがごとに話を追っていけるので理解しやすかったです。また人間関係もひねりがあって、敵か味方かドキドキしながら読みました。遊郭や置屋の説明も詳しかったです。華やかなようでお金がかかる、大変な暮らしだったのだなと理解できました。そして朱音の行く先は！？　目的があって遊郭に潜入した朱音は無事に生きて出ることができるのか。はじめは江戸ファンタジーの気分で読んでいたのですが、いつの間にか歴史的な事件が絡みはじめ、読んでいて驚いてしまいました。ちゃんとした時代マンガだったんですよね。話の筋がしっかり一本通っていました。全12巻の長編を読み終えた時、爽快感はありましたが、もう朱音や仲間たちに会えないのかと思って少し寂しくもなりました。続編が今でも読みたいマンガです。
（50代・女性）

ただの吉原での恋愛漫画であると思い読み始めてみたところ、家族を失った悲しみを抱えながらの家族を殺めた犯人捜しや、その中で出会った男性との恋物語、様々な要素が含まれており、読み応えのある漫画でした。読み続けていけばいくほど意外な展開であっという間に読み終えてしまいました。主人公朱音の純粋で強い性格、惣右助もイケメンでモテ男でありながらも朱音に惹かれていく様子がまたキュンキュン間違いなし。恋物語よりもミステリー要素が強めであり、恋愛漫画が苦手な方でも楽しく読めると思います。犯人も意外な人物でありい様々な伏線が張られており、ミステリー大好きな私は一気に読み終えました。惣右助の遊郭に出入りする理由や最後の最後の惣右助の姉にまつわる伏線など最後まで楽しめる展開でした。また、恋愛面も両想いなのに散々すれ違いやっと両想いになったと思ったら様々な困難が待ち受け、ドキドキハラハラしてしまいました。最後に思いが通じ合ったときには、読んでいる方もほっとするような恥ずかしいような気持ちになりました。恋愛漫画ミステリー漫画とにかく漫画大好きな私がドはまりした漫画です。ぜひ読んでいない方は読んでほしいおすすめの一冊です。
（30代・女性）

主人公の女性は武家の出だが、吉原の女郎、花魁見習いになる話。家族が突然夜襲に合い両親が殺される。そんな悲劇から始まり、偶然自分を一目惚れしてくれた若旦那に指名され花魁みならいになることが出来た。そこから二人の恋が始まって最後には家族が殺された理由や真犯人を見つけていく。最初はえぐいなと思ったけれど主人公は吉原のドロドロした女の闘いに巻き込まれることなく男性陣に守られながら、姉さんの花魁に教えを請いながら花魁見習いを続けていく。武家のお嬢様が慣れない環境で自分を卑下ることなく堂々と生きていこうとする悲劇のヒロイン像がそこにはある。人を引き付ける魅力はあるのかもしれないけれど、男性に守られてて羨ましいなと読者は思うのかな？男から見たら守ってあげたくなる何かがあるのかもしれない。モテる女性はやっぱり女性からはあまり好かれない気がする。恋の駆け引きとはそういうものはないけれど、主人公とそれを取り巻く男性の、主人公の取り合いを見ているとイライラする部分がある。心に残るもやっと感が「この先どうなるの？」っていう期待と不安感をあおっているようなそんな物語な気がする。最後はさっぱりと終わる物語なんだと思うけど途中経過ではもやもやが残る物語だなって思います。
（40代・女性）

江戸時代の遊郭、吉原のお話です。江戸時代なのにヒーローは、髷を結ってなくて月代姿ではないので、とっつきやすいと思います。月代姿は見慣れていればかっこいいのですが、時代劇や歌舞伎などで見慣れていない人だと、かっこよく見えないかもしれないので、その点は大丈夫です。お着物姿が皆さん素敵です。たまに漫画で着物が着物っぽくない絵もありますがこの作者さんは上手に描かれています。長編ですが若旦那がとてもかっこよくて、ヒロインと早くくっついてほしいと思いながらどんどん読んでしまいます。若旦那は頭もいいし姿も美男子だし最高です。主人公の朱音ちゃんも、もとが武家の出なこともあり、しっかり者で応援したくなるような性格です。若旦那は最初は武家嫌いなのに、だんだん心を許していく感じがたまりません。朱音ちゃんは、親を殺されたということから吉原に入ったので、その辺のミステリー的なストーリーもあって読ませます。若旦那だけでなく、元使用人もいい感じです。仇討ちものというところが歌舞伎にもあるような江戸時代らしさがあっていいです。ヒロインにも花魁としてのライバルがいるなど話があちこちで興味深く目が離せないし飽きません。敵かと思った人が味方だったりしてドキドキします。
（50代・女性）

登場人物たちが和装をしていたり、遊郭が出てきたりと、昔の日本ならではの要素を感じさせる作品でした。ストーリー的にはラブロマンスですが、たまにミステリー要素が加わってくる辺りも面白かったです。昔の日本だからこそ、今では考えられないようなシーンもたくさん出てきますが、まるで擬似的にタイムスリップしたような感覚が味わえて楽しいです。そして恋愛というのはどの時代でもきゅんとくる要素は一緒なんだな、と不思議と感慨深い気持ちになりました。そしてこの作品は、ヒロインと男性が身分が違うためにスムーズに恋愛が進まないところも面白味の1つになっています。せっかく距離が縮まったと思ったら身分の違いのせいでまた離れてしまったり、見ててもどかしい気持ちにもなります。ヒロインの朱音は両親が殺されてしまったのにも関わらず、自分から犯人を捜し出そうとするところがかなり勇敢だなと思いました。ヒロインだからといって男に媚びず、自立して生きている姿が素晴らしかったです。そしてそんな朱音と距離を縮めていく惣右助は、カッコ良いのはもちろんですがなかなかミステリアスな雰囲気が漂っています。この二人の恋愛、そして朱音の両親の死の真相など、興味をひかれる部分がたくさんある作品となっています。
（20代・男性）

元は武家の娘だった朱音が、吉原の曙楼に売られてから、太夫を目指すお話です。朱音自身、女郎にわざわざ身を落とした理由・目的があるようで、それがどうなっていくかも話の中核にあります。よくある女同士の嫉妬から、妨害にあったりしつつも、高利貸し近江屋の若旦那の援助を受けながら、逞しく成長していきます。ちょっと変わっているのが、朱音の教育係になった朝明野花魁。曙楼一の売れっ妓でありながら、当初から朱音に優しいのか厳しいのか分からない、ドライで放置気味の態度です。でもそこが、憎めないし、とても感心する部分でもあります。また、近江屋の若旦那は朱音が気づいていないだけで、物語の開始当初から因縁のあった様子。さらに朱音の実家の使用人だった利一郎まで出てきて、周囲の人間関係模様も複雑化していきます。恋愛漫画なので、決まったお相手は近江屋の若旦那なのかなぁと思いながら読んでいるんですが、気の強い朱音の態度もあり、この2人は一筋縄じゃくっつかなさそう。朱音の目的達成と2人の関係がどうなっていくのか、楽しんで読めます。話の起伏も多いので、10代の女性から楽しんで読んでいただけると思います。作者の前作「BLACK BIRD」をお読みになった方にもおすすめします。
（30代・女性）